ゆうちょ銀行(郵便局)からお金を借りる4つの方法とは?自動貸付の利用の仕方も詳しく紹介

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本記事では、ゆうちょ銀行でお金を借りる4つの方法を特徴別に解説します。

ゆうちょ銀行は貯金や保険のイメージが強いですが、実はお金を借りることが可能です。

そうはいってもゆうちょ銀行には、カードローンやフリーローン商品がありません。

ゆうちょ銀行での借り方を知らなければ、条件に当てはまっていても借りられないため、ゆうちょ銀行での借入方法を知っておきましょう。

ゆうちょ銀行での自動貸付のやり方から、別の借り方まで詳しく解説します。

Contents

ゆうちょ銀行(郵便局)でお金借りる4つの方法を紹介

ゆうちょ銀行でお金を借りる方法は、4つあります。

ここでは特徴別にゆうちょ銀行でお金借りる方法を解説。

借り方によって利用できる人が異なるので、自分向けの方法をチェックしましょう。

借り方 利用できる人 審査なし 自動貸付け
貯金担保自動貸付け ・総合口座を持っている人
・担保定期貯金または担保定額貯金をしている人
口座貸越サービス 通常貯金口座を持っている人
JP BANKカードでキャッシング JP BANKカードを持っている人
かんぽ生命の契約者貸付 かんぽ生命の解約返戻金がある保険に加入している人

ゆうちょ銀行には、誰でも利用できるカードローンやフリーローン商品がありません。

ゆうちょ銀行でお金を借りるには、ゆうちょ銀行に関連するサービスを利用している必要があります。

貯金担保自動貸付けでお金を借りられるのは、定期貯金または定額貯金をしている人のみです。

口座貸付サービスを利用するなら、通常貯金口座を持っていなければいけません。

ゆうちょ銀行では、利用している商品に合わせて借り方を選ぶ必要があります。

ゆうちょ銀行の商品を利用していれば、以下のような借り方も可能。

  • 審査なしで借りられる
  • 自動貸付けが受けられる

ゆうちょ銀行で利用している商品を元に、借りる方法を選びましょう。

総合口座を持っている人がゆうちょ銀行でお金を借りるなら貯金担保自動貸付け

総合口座を持っている人ら、定期貯金または定額貯金を担保とする貯金担保自動貸付けで借りられます。

貯金担保自動貸付けとは、通常貯金の残高が不足する際に自動で融資を受けられる仕組みです。

自動貸付けで借りられる金額は、貯金の90%までと決められています。

担保 担保定期貯金または担保定額貯金
金利 ・担保定期貯金:預けたときの約定金利+0.50%
・担保定額貯金:返済するときの約定金利+0.25%
利息の計算方法 日割り計算
貸付方法 自動的に融資を実行
貸付金額の上限 ・預けている定期性貯金の90%まで
・1冊の総合口座通帳に付き300万円まで
貸付期間 貸付日から2年※担保としている定期貯金や定額貯金が2年以内に満期になるなら満期日まで
返済方法 借りた金額と利息額を合わせて通常貯金に入金する
返済回数 制限なし
返済額 制限なし
審査 なし

貯金担保自動貸付けは、総合口座が持つ機能の1つです。

機能の1つとして最初から付いているため、利用手続きは必要ありません。

ゆうちょ銀行の総合口座とは、以下の機能を持った口座です。

機能 内容
通常貯金 ・預けているお金を自由に出し入れできる
・1,000万円まで預けられる
将来のために貯める一定期間払い戻せない貯金 ・担保定期貯金:預け入れの際に一定の期間を指定して預ける貯金で期間が経過するまで払い戻せない
・担保定額貯金:最長10年預けられ6ヶ月経過すれば預けたお金を払い戻せる
・定期性貯金全体で1,300万円まで預けられる
送金 送金や振り込みに使える
給料や年金の受け取り 以下のものを受け取れる
・給料
・年金
・配当金
自動払い込み 以下の料金を自動で支払える
・公共料金
・各種料金
貯金担保自動貸付け 通常貯金の残高が不足する際に自動で融資を受けられる

ゆうちょ銀行でお金を借りる貯金担保自動貸付けのメリット

ゆうちょ銀行でお金を借りる貯金担保自動貸付けには、以下のメリットがあります。

  • 審査不要で年齢制限もなし
  • 即日借りられる

お金を借りるには、通常審査が必要です。

例えば消費者金融や信販会社のカードローンを利用するなら、貸金業法に従って審査を受ける必要があります。

貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。

出典:貸金業法│e-GOV法令検索

審査は返済能力の調査を目的として行われ、審査に通らなければ融資が受けられません。

カードローンの審査が不安な人は、貯金担保自動貸付けで借りましょう。

定期貯金または定額貯金が担保になるため審査も年齢制限もなしで借りられる

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けは、審査や年齢制限がありません。

審査不要で借りられるのは、定期貯金または定額貯金が担保になるため。

担保とは、返済が困難になったときに備えて、利用者が事前に提供するものです。

貯金担保自動貸付けを利用中に万が一返済が滞ったときは、定期貯金または定額貯金から返済します。

融資したお金を回収できる予定があれば、審査は必要ありません。

年齢制限もなく、定期貯金や定額貯金をしていれば誰でも融資が受けられます。

ゆうちょ銀行に総合口座があり、定期貯金や定額貯金をしている人には、借りやすい方法です。

貯金担保自動貸付けは事前の手続きなしで利用できて即日借りられる

ゆうちょ銀行でお金を借りる貯金担保自動貸付けは、事前の手続きが必要ありません。

総合口座を開設して定期貯金や定額貯金をすれば、自動的に貸し付けが受けられる状態です。

事前の手続きが必要ないため、お金を借りたいタイミングで即日利用できます。

急いでお金を用意したいときでも、すぐに対応可能です。

審査時間が短く即日対応できる消費者金融のカードローンでも、審査に25分から30分程度かかります。

申し込みや契約の手続きもしなければいけません。

申し込みや手続きをせずに今すぐお金を借りたい人は、貯金担保自動貸付けを利用しましょう。

貯金担保自動貸付けで借りられる金額は貯金額の90%まで!ATMでは引き出し制限がある

貯金担保自動貸付けで借りられる金額は、定期貯金や定額貯金の90%までです。

例えば100万円定期貯金に預けている人なら、90万円まで貸し付けが受けられます。

ただし1冊の総合口座通帳につき、300万円までしか借りられません。

定期貯金に400万円預けているとき、90%は360万円ですが、借りられるのは300万円までです。

ATMで引き出す際は、以下の金額制限があります。

  • 通常:50万円まで
  • ファミリーマート設置の小型ATM:20万円まで

50万円超の金額を借りたくても、ATMでは対応できません。

ファミリーマートにある小型ATMで借りられるのは20万円までです。

制限された金額よりも多く借りたい人は、郵便局の窓口に出向いてお金を借りましょう。

ファミリーマートの小型ATM以外で引き出せる金額は、200万円までアップ可能です。

引き出し限度額を上げたい人は、郵便局の窓口で申し込みましょう。

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けでお金を借りるやり方!キャッシュカードでも引き出し可能

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けでお金を借りるやり方は、以下の通りです。

手続き場所 方法
郵便局の窓口 以下を持って窓口で申し出る
・総合口座通帳
・届け印
・本人確認書類
ATM キャッシュカードまたは通帳で通常貯金の残高を超えて払い戻す

窓口に出向いてお金を借りるなら、必要なものを持って窓口で申し出ましょう。

本人確認書類に利用できるのは、顔写真付きの書類です。

  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書
  • マイナンバーカード
  • パスポート、乗員手帳
  • 療育手帳
  • 戦傷病者手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 身体障害者手帳
  • 在留カード

顔写真がない、以下の書類しかない人は、公共料金や税金の領収証も必要です。

  • 各種保険証
  • 国民年金手帳
  • 児童扶養手当証書
  • 特別児童扶養手当証書
  • 母子健康手帳

ATMで借りるなら、普段貯金を下ろすときと同じ操作で借りられます。

例えば通常貯金残高が5万円しかないときに10万円下ろせば、自動的に5万円借りられる仕組みです。

借り入れをしているときは、通常貯金の残高欄がマイナス表示になります。

ゆうちょ銀行でお金を借りる貯金担保貸付の利息は担保となる貯金の利子で決まる

貯金担保自動貸付けの利息は、担保となる定期性貯金の利子で決まる仕組みです。

  • 担保定期貯金:預けたときの約定金利+0.50%
  • 担保定額貯金:返済するときの約定金利+0.25%

定期貯金では、貯金を預けたときの約定金利によって金利が決まります。

定額貯金は、借りたお金を返済するときの約定金利によって金利が決まる仕組みです。

融資時の金利は、以下のように計算します。

担保 担保の金利 返済する際の金利
定期貯金 0.002% 0.502%
定額貯金 0.002% 0.252%

※2022年12月現在

出典:金利一覧│ゆうちょ銀行

2年間で返済したときを例に、利息をシミュレーションした結果は以下の通りです。

借入額 定期貯金 定額貯金
5万円 260円程度 140円程度
10万円 510円程度 270円程度
30万円 1,600円程度 790円程度
50万円 2,600円程度 1,300円程度

貯金担保自動貸付けを利用すると、カードローンでお金を借りるよりも利息の負担が少なくて済みます。

年18.0%のカードローンで50万円借り、2年で返済したときの利息と比較しましょう。

定期貯金担保の貯金担保自動貸付け 2,600円程度
定額貯金担保の貯金担保自動貸付け 1,300円程度
カードローン 99,100円程度

参考:カードローンのかんたん返済額シミュレーション│E-LOAN

カードローンでは10万円近く利息がかかります。

貯金担保自動貸付けなら、利息が1,300円~2,600円程度しかかかりません。

同じ金額を借りても、利息の負担が大きく違います。

貯金担保自動貸付けを利用できる条件に当てはまっている人は、貯金担保自動貸付けでお金を借りれば利息の負担が軽減できます。

貯金担保自動貸付けは通常貯金に入金すると返済できる!返済できないと担保貯金が解約される

貯金担保自動貸付けは、借りた金額に利息を加えて通常貯金に入金すると、自動的に返済できる仕組みです。

返済のルールを確認した上で、入金しましょう。

貸付期間 貸付日から2年
※担保としている定期貯金や定額貯金が2年以内に満期になるなら満期日まで
返済方法 借りた金額と利息額を合わせて通常貯金に入金する
返済回数 制限なし
返済額 制限なし

貸付期間は貸付日から2年間で、期間中ならいつ返済しても構いません。

ただし2年以内に担保とする貯金が満期になる人は、満期日が返済期限です。

満期日までに返済できないと、定期性貯金が満期を迎えないまま解約される仕組み。

返済期限内に返済できるかによって、以下の差が出ます。

期限内に返済したとき 貯金担保自動貸付けの利息を支払う
期限内に返済できなかったとき ・貯金担保自動貸付けの利息を支払う
・定期貯金や定額貯金を解約したときに受け取れる利子も減る

定期貯金や定額貯金が解約されると預入期間内払戻金利が適用され、満期のときに受け取れる予定だった利子よりも受け取れる利子が減ります。

例えば定期貯金の預入期間内払戻金利は、通常金利の60%程度です。

参考:定期貯金規定│ゆうちょ銀行

満期が近いときに融資を受けると返済期間が短くなるため、満期日が近い人は早めに返済しましょう。

貯金担保自動貸付けでは、返済回数にも返済額にも制限がありません。

例えば20万円借りたとすれば、以下のように様々な返済方法が可能です。

  • 借りた翌月に20万円全額返済する
  • 借りた半年後に20万円全額返済する
  • 借りた半年後と1年後に10万円ずつ2回に分けて返済する
  • 毎月5万円ずつ返済して4回で完済する
  • 毎月2万円ずつ返済して10回で完済する

返済する時期も金額も自由に設定できるため、余裕があるときに返済できます。

返済例では計算しやすいよう利息額を除いているので、実際の返済時は利息を含めて返済しましょう。

返済期間までに完済できないと、担保となる貯金が解約され、返済に充てられるルールです。

返済に充てた残りのお金は、通常貯金に預け入れられます。

利息の入金を忘れると返済が終わったとはみなされません。

例えば20万円借りた人が20万円しか入金しないと利息分が足りず、返済できていない扱いです。

貯金担保自動貸付けを利用するなら、利息額も含めて返済期間中に入金を済ませましょう。

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けは担保がなければ利用できない

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けでお金を借りたくても、担保がなければ利用できません。

以下の定期性貯金をどちらもしていない人は、総合口座を開設していても貯金担保自動貸付けの対象外です。

  • 担保定期貯金
  • 担保定額貯金

貯金担保自動貸付けは、お金が必要なときに、定期性の貯金を解約せずにお金を用意できる融資です。

お金を借りたいときに、あらたにお金を預けて借りるのは、現実的ではありません。

定期貯金や定額貯金をしていない人は、貯金担保自動貸付け以外の方法で借りましょう。

ゆうちょ銀行の国債担保貸付けや財産形成貯金担保貸付けは取り扱いが終了している

2022年12月現在、定期貯金や定額貯金以外の担保を元にゆうちょ銀行でお金を借りる方法は、ありません。

以前は以下の融資も取り扱われていましたが、現在は終了しています。

融資制度 担保
国債等担保貸付け ゆうちょ銀行で購入した国債
財産形成貯金担保貸付け ・財形定額貯金
・財形年金定額貯金
・財形住宅定額貯金

どちらの融資も、2019年3月29日をもって新規申込受付が終了しました。

ゆうちょ銀行で担保を元にお金を借りたい人は、貯金担保自動貸付けで借りましょう。

通常貯金口座を持っている人がゆうちょ銀行でお金を借りるなら口座貸越サービス

通常貯金口座を持っている人がゆうちょ銀行でお金を借りるなら、口座貸越サービスに申し込みましょう。

口座貸越サービスは担保なしでも利用できる融資で、通常貯金口座残高が不足した際に融資を受けられるサービスです。

担保 不要
金利 年14.0%
利息の計算方法 日割り計算
貸付方法 自動的に融資を実行
貸付金額 10万円~30万円(10万円単位)
貸付期間 契約日から1年経過した日が属する月の末日(自動更新)※満76歳になって契約更新日を迎えると新規融資は停止
返済方法 自動引き落とし
返済額 1万円
審査 あり
申込条件 以下の条件を満たす個人
・日本国籍の人または永住許可を受けている外国人
・契約時の年齢が満20歳以上70歳以下の人
・ゆうちょ銀行の通常貯金口座を持っている人
・安定した収入があり継続して取引が見込まれる人
・ゆうちょ銀行が指定する保証会社の保証を受けられる人

口座貸越サービスは、担保となる定期性貯金がなくても申し込める融資サービスです。

担保不要で借りるため、申込者は借りたお金を返済する能力が求められます。

返済能力を確認するために、口座貸越サービスでは審査を受けなければいけません。

ゆうちょ銀行でお金を借りる口座貸越サービスの手続きの流れ

ゆうちょ銀行でお金を借りる口座貸越サービスは、以下の方法で申し込めます。

  • インターネット
  • 窓口

インターネットで申し込む際は、以下の流れで手続きしましょう。

  1. ゆうちょ認証アプリをインストールする
  2. 口座貸越サービス申し込み専用サイトにアクセスする
  3. 画面の案内に従って必要事項を入力する
  4. 入力したメールアドレス宛に届いた確認コードをサイトに入力する
  5. 本人情報を入力する
  6. メールで審査結果連絡が届くのを待つ
  7. 審査に通ったら自宅宛に必要書類が届く
  8. 契約を済ませたら利用できる

審査結果連絡には、10日程度かかります。

郵便局の貯金窓口またはゆうちょ銀行の窓口で申し込む人は、以下のものを持参しましょう。

  • 届け印
  • 通帳またはキャッシュカード
  • 顔写真付きの本人確認書類

窓口で説明に従って手続きをすれば、申し込みが完了します。

口座貸越サービスはキャッシュカードや通帳でお金を借りる方法!通常貯金にセットできる

ゆうちょ銀行の口座貸越サービスでお金を借りる際も、融資方法は自動融資です。

口座貸越サービスの手続きを済ませていれば、残高が不足したときに以下のタイミングで自動融資が受けられます。

  • ATMでキャッシュカードや通帳を使って払い戻した
  • 郵便局の貯金窓口やゆうちょ銀行窓口で通帳を使って払い戻した
  • デビットカードを利用した
  • ゆうちょ銀行口座あてに送金した
  • 公共料金やクレジットカード代金が引き落とされた
  • 自動送金したお金が引き落とされた
  • 即時振替サービスを利用した
  • 双方向即時振替サービスを利用した

例えば通常貯金の残高が10万円のときにATMで20万円払い戻すと、10万円自動で融資が受けられます。

ゆうちょ銀行のキャッシュカードをデビットカードとして利用したときも、通常貯金の残高が足りなければ融資を受けられる仕組みです。

送金や代金引き落としの際も、融資が受けられます。

以下の即時振替サービスや双方向即時振替サービス利用時も、自動融資の対象です。

即時振替サービス 収納機関のWebサイトで事前にゆうちょ銀行の口座を登録しておくと情報の入力なしに即時入金できる
双方向即時振替サービス 収納機関への入金と利用者への返金ができる

ゆうちょ銀行の即時振替サービスが利用できる収納機関には、以下のものがあります。

収納機関 具体例
決済サービス ・NTTドコモ
・KDDI
・ファミマデジタルワン
・PayPay
・LINE Pay
・Kyashなど
証券 ・野村証券
・PayPay証券
・松井証券
・マネックス証券など
ノンバンク ・トヨタファイナンス
・三井住友カード(旧SMBCモビット)
公営競技 ・日本中央競馬会(JRA)
・オッズ・パーク
・全国競輪施行者協議会
・WinTicketなど
日本郵政グループサービス ・日本郵便
・ゆうちょ銀行

参考:即時振替サービス・双方向即時振替サービス│ゆうちょ銀行

幅広い利用や支払いに対応可能できるため、残高不足が不安な人は口座貸越サービスに申し込んでおきましょう。

ゆうちょ銀行の口座貸越サービスでお金を借りるときは残高マイナスでも引き出しできる

ゆうちょ銀行の口座貸越サービスでお金を借りると、借りた金額が通帳にマイナスで表示されます。

例えば残高が10万円のときに20万円払い戻すと、借入額は10万円です。

借りた金額分の10万円が、通帳にマイナスで表記されます。

借り入れして残高がマイナスになっていても、決められた利用限度額に達していなければ追加の借り入れも可能です。

利用限度額30万円の人なら、通帳の表記がマイナス30万円になるまで借りられます。

ゆうちょ銀行でお金を借りる口座貸越サービスは審査が必要!審査内容をチェック

ゆうちょ銀行でお金を借りる口座貸越サービスには担保がないため、返済能力をチェックする審査が必要です。

口座貸越サービスの審査では、以下の内容が見られます。

  • 安定収入があるか
  • 他社での借入額が多すぎないか
  • 延滞している借り入れがないか

口座貸越サービスの申込条件には「安定した収入があり継続して取引が見込まれる人」の項目もあります。

安定収入があって返済でき、今後もサービスを利用してくれそうな人だと判断されれば、審査通過可能です。

口座貸越サービスを利用するには安定収入が求められる

口座貸越サービスを利用するには、安定収入がなければいけません。

安定収入があるとは、以下の状態です。

  • 定期的に継続して収入を受け取っている
  • 毎回の収入額が大きく変動しない

一時的に収入を受け取っているだけではなく、定期的に繰り返し収入を得ていれば、審査に通る可能性があります。

受け取る収入額が時期によって大きく変動すると、安定収入があるとは言えません。

例えば以下の人は、安定収入があるとみなされない可能性が高いです。

  • 1月の収入:10万円
  • 2月の収入:40万円
  • 3月の収入:10万円

3ヶ月で受け取った金額は60万円です。

同じ60万円の収入があるなら、毎月20万円ずつ受け取っている人の方が、安定していると判断されます。

自営業やフリーランスで収入額が調整できるなら、同じくらいの金額を受け取れるよう調整しましょう。

口座貸越サービスの審査では、以下の人も安定収入があるとみなされます。

  • 年金受給者
  • 無職の既婚者で配偶者に安定収入がある人

定期的に収入を受け取っている人は、口座貸越サービスに申し込みましょう。

他社での借入額が多ければ口座貸越サービスは利用できない

他社での借入額が多い人は、口座貸越サービスが利用できません。

ローンで返済能力を見る際には、返済比率が重視される傾向です。

返済比率とは、収入に対して返済がどの程度の割合を占めているかを示す数字。

「年間返済額÷年収」の式に当てはめて計算します。

例えば銀行カードローンでは、貸金業者に習って年収の3分の1を目安として融資を実施。

「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」によると、銀行カードローンは貸金業法の総量規制の趣旨をふまえて融資額を設定しています。

参考:銀行カードローンに関する全銀協の取組みについて│一般社団法人全国銀行協会

貸金業法の総量規制とは、以下の内容です。

過度な借入れから消費者の皆さまを守るために、年収などを基準に、その3分の1を超える貸付けが原則禁止されています(総量規制)。例えば、年収300万円の方が貸金業者から借入れできる合計額は、最大で100万円となります。

出典:1 お借入れは年収の3分の1までです│日本貸金業協会

年収が300万円の人なら融資するのは100万円までで、返済比率は33%程度です。

返済比率が35%を超えると返済が難しくなると言われています。

口座貸越サービスでも、年収の3分の1までが目安です。

他社借入額が多いと、返済が難しいと思われて融資を受けられない可能性もあります。

他社から年収の3分の1近いお金を借りている人は、返済して借入額が減ってから口座貸越サービスに申し込みましょう。

延滞している人は口座貸越サービスの審査に通らない

ローンの申し込みを受けると、ゆうちょ銀行は他社借入で延滞がないか確認を実施します。

延滞があれば、申し込みの時点で返済能力があるとは言えません。

口座貸越サービスの審査は、ゆうちょ銀行と所定の保証会社がそれぞれ実施。

ゆうちょ銀行と保証会社は、個人の借り入れに関する信用情報を集めている、信用情報機関に情報を照会します。

以下のような借り入れやクレジットの利用で延滞があれば、審査に通りません。

  • クレジットカードのショッピング
  • クレジットカードのキャッシング
  • ローン
  • 分割払いの契約をして支払っている費用

延滞の記録は、延滞解消から5年間は消えません。

5年経過すると信用情報機関から情報が削除され、再び借入可能になります。

延滞している人は、記録が消えるのを待って口座貸越サービスに申し込みましょう。

ゆうちょ銀行の口座貸越サービスで借りたお金は毎月引き落としで返済する

ゆうちょ銀行の口座貸越サービスでお金を借りると、毎月引き落としで返済する仕組みです。

返済方法 自動引き落とし
返済用口座 口座貸越サービス契約中の通常貯金口座を返済用口座に設定
返済額 1万円
返済日 毎月8日

口座貸越サービス契約中の通常貯金口座を、返済用口座として設定する必要があります。

返済額は毎月1万円で、返済日は8日です。

借入額と利子の合計額が1万円未満なら、全額が引き落とされます。

口座貸越サービスでは、余裕のあるときに追加で返済する随時返済も可能です。

随時返済は、以下の方法で行えます。

  • ゆうちょ銀行ATM(ファミリーマート設置の小型ATMも含む)
  • ゆうちょダイレクト
  • ゆうちょ通帳アプリ
  • 郵便局の貯金窓口またはゆうちょ銀行の窓口

ゆうちょダイレクトを例に、随時返済の流れを確認しましょう。

  1. メニューの「口座貸越サービス」を選択する
  2. メニューの「随時返済」を選択する
  3. 任意の返済額を入力する
  4. 内容を確認して「実行する」を選択する

随時返済の実行によって返済期間が短くなれば、利息の節約も可能です。

例えば30万円借りると、返済期間によって利息が以下のように違います。

借入期間 利息
12ヶ月 23,200円程度
18ヶ月 34,400円程度
24ヶ月 457,00円程度
30ヶ月 57,300円程度

参考:カードローンのかんたん返済額シミュレーション│E-LOAN

余裕があるときには随時返済も組み合わせて、利息を節約しましょう。

担保や通常貯金がないならゆうちょ銀行発行のJP BANKカードでお金を借りる

担保も通常貯金もない人は、ゆうちょ銀行発行のクレジットカード「JP BANKカード」でお金を借りられる可能性があります。

JP BANKカードには現金を融資するキャッシング機能があり、カードの種類によって以下の条件で借入可能です。

JP BANKカードの種類 キャッシング枠 金利(キャッシングリボ払い) 金利(キャッシング一括払い、海外キャッシング)
VISAカードブランド「ALente(アレンテ)」 0~30万円 15.0% 15.0%
VISAカード/マスターカードブランド「一般カード」 0~30万円 15.0% 15.0%
VISAカード/マスターカードブランド「ゴールドカード」 0~50万円 15.0% 15.0%
JCBブランド「EXTAGE」 ・社会人:0~50万円・学生:海外キャッシングのみ0~5万円 15.0% 15.0%
JCBブランド「一般カード」 0~50万円 15.0% 15.0%
JCBブランド「ゴールドカードカード」 0~50万円 15.0% 15.0%

JP BANKカードとはゆうちょ銀行が発行するクレジットカード

JP BANKカードとはゆうちょ銀行が発行するクレジットカードで、お金を借りるキャッシング機能も備えています。

カードによる特徴の違いは、以下の通りです。

JP BANKカードの種類 年会費 申し込み対象者 カードタイプ 特徴
VISAカードブランド「ALente(アレンテ)」 ・初年度:無料
・翌年度以降1,375円
高校生を除く満18歳以上29歳以下の人 キャッシュカード一体型のみ ・Amazonでポイント3倍
・ファミリーマートでポイント3倍
・イオングループでポイント3倍
・翌年以降も年1回のショッピングで年会費無料
VISAカード/マスターカードブランド「一般カード」 ・初年度:無料
・翌年度以降1,375円
高校生を除く満18歳以上の人 ・キャッシュカード一体型
・クレジットカード単体型
・翌年以降も年1回のショッピングで年会費無料
・ローソンでポイント5倍
VISAカード/マスターカードブランド「ゴールドカード」 11,000円 満25歳以上で安定収入がある人 ・キャッシュカード一体型
・クレジットカード単体型
・どこでもポイント2倍
・空港ラウンジ無料
・充実した付帯保険
・ローソンでポイント5倍
JCBブランド「EXTAGE」 2,200円 ・満18歳以上29歳以下で本人または配偶者に安定収入がある人
・または高校生を除く満18歳以上29歳以下の学生
キャッシュカード一体型のみ ・入会後3ヶ月間はポイント3倍
・入会後4か月目以降もリボ払いでポイントアップ
・新規入会後5年間年会費無料
JCBブランド「一般カード」 ・初年度無料
・翌年度以降1,375円
満18歳以上で本人または配偶者に安定収入がある人
・または高校生を除く満18歳以上の学生
キャッシュカード一体型のみ ・翌年以降も年1回のショッピングで年会費無料
・特定の店舗でポイントアップ
JCBブランド「ゴールドカードカード」 11,000円 満20歳以上で本人に安定収入がある人 キャッシュカード一体型のみ ・どこでもポイント2倍
・空港ラウンジ無料
・充実した付帯保険
・特定の店舗でポイントアップ

年会費を節約したい人は、ゴールドカード以外を選びましょう。

申し込み時にキャッシング枠を付けていればすぐ借りられる!枠がない人は設定しよう

JP BANKカードの申込時にキャッシング枠を付けていれば、お金を借りるのに新たな審査は不要です。

以下の方法で、お金を借りられます。

借入方法 借りられるまでの時間
ATM 即日
・インターネットで振込依頼・電話で振込依頼 5営業日後に振り込み

振り込みで融資を受けると、振り込まれるのは5営業日後です。

申込時に枠を設定しなかった人は、キャッシング枠設定のために審査を受けなければいけません。

インターネットまたは電話で資料請求をして、キャッシング枠を設定しましょう。

参考:JP BANKカードWEB│ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行のJP BANKカードで借りたお金を返済する方法

ゆうちょ銀行のJP BANKカードでお金を借りると、以下の方法で返済できます。

返済方法 金利 内容
キャッシングリボ 15.0% 毎月一定の金額をJP BANK カード利用代金支払い口座から引き落とし
キャッシング一括 15.0% 締め日までの利用額全額をJP BANK カード利用代金支払い口座から引き落とし

返済方法は、JP BANK カード利用代金支払い口座からの自動引き落としです。

返済日を忘れる心配はありませんが、残高不足にならないようチェックしましょう。

キャッシングリボの返済額は、以下の範囲内から5千円単位で設定できます。

キャッシング枠 最低返済額
10万円 5,000円~45,000円
20万円 10,000円~50,000円
30万円~50万円 15,000から55,000円

無理なく返済できる金額に設定して、延滞しないように支払いましょう。

ゆうちょ銀行発行のJP BANKカードに新たに申し込んでお金を借りる流れ

JP BANKカードを持っていないなら、ゆうちょ銀行の公式サイトから申し込みましょう。

JP BANKカードは、以下の流れで申し込めます。

  1. 「ゆうちょのクレジットカードを申し込む」を選択する
  2. カードの種類とブランドを選択する
  3. キャッシュカード一体型かクレジットカード単体型か選ぶ※選べないカードあり
  4. 必要事項を入力して送信する

カードによって年齢制限や収入に関する制限があるため、自分に買うカードを選んで申し込みましょう。

以下の条件に当てはまる人は、申し込み前に手続きが必要です。

条件 必要な手続き
ゆうちょ銀行に通常貯金口座を持っていない 通常貯金口座を開設する
通帳に記載されている以下の内容と申し込みの際に記入する内容が異なる
・住所
・氏名
・届け印
以下のうち変更があったものに関して変更手続きをする
・住所
・氏名
・届け印
すでにJP BANKカードを持っている ・ブランドやカードタイプを変更するならJP BANKカードの廃止手続きをする
・ゴールドカードへの切り替えは発行元に問い合わせる
キャッシュカードを持っていない人がキャッシュカード機能なしJP BANK カードに申し込む キャッシュサービスの利用申し込み手続きをする

必要な手続きを確認した上で、JP BANKカードに申し込みましょう。

ゆうちょ銀行でお金を借りるならかんぽ生命の契約者貸付も利用できる

ゆうちょ銀行でお金を借りたいときには、かんぽ生命の契約者貸付も利用できます。

かんぽ生命とゆうちょ銀行はグループ会社で、生命保険への加入は郵便局で対応する仕組みです。

金利 2.5%
※貸付期間経過後は2.5625%
貸付期間 貸付日の翌日から1年間
貸付額 解約返戻金の一定範囲内
※ご契約者さま専用サイト(マイページ)で確認可能

※2022年12月現在

金利は契約時期や商品によって異なるケースもあり、貸付額は解約返戻金の一定範囲内で決められます。

ご契約者さま専用サイト(マイページ)で貸付額の確認が可能。

契約者貸付を利用したい人は、マイページで借りられる金額を確認しましょう。

郵便局で解約返戻金のある保険を契約していればお金を貸してくれる

契約者貸付とは生命保険の解約返戻金を担保としてお金を借りる制度です。

解約返戻金とは、保険の契約を解除した際に契約者に支払うお金を言います。

払い込んだ保険料の一部が積み立てられたものを、契約解除の際に受け取る仕組みです。

解約返戻金を支払うときには、諸経費が引かれます。

受け取れる解約返戻金は払い込んだ保険料よりも少なく、払込期間が短いほど金額が少ないです。

かんぽ生命では、次の保険に契約者貸付制度がありません。

  • 定期保険
  • 保証期間の設定がない終身年金保険
  • 保証期間の設定がない財形商品
  • 保証期間の設定がない確定搬出年金商品

上記以外の保険に加入していれば、契約者貸付が利用できます。

契約者貸付は解約返戻金を担保にするため、審査不要で借入可能です。

生命保険を契約していて、審査なしでお金を借りたい人は、契約者貸付を利用しましょう。

かんぽ生命の契約者貸付でお金を借りる方法

かんぽ生命の契約者貸付でお金を借りるなら、融資を受ける手続が必要です。

以下の2つの方法で手続きできます。

  • インターネット
  • 郵便局

インターネットで手続きする際は、マイページにログインして契約者貸付を選択しましょう。

インターネットで申し込んだ人がお金を受け取れるまでの時間は、以下の通りです。

手続き時間 振り込み時間
平日9:00~13:59 当日中
平日14:00~23:29 翌営業日

※休日、年末年始を除く

以下の条件に該当する人は、インターネットで手続きできません。

条件 内容
特定の保険に加入している ・職域保険
・集団定期保険
・財形貯蓄保険
・財形年金保険
・確定拠出年金
・家族保険
・親子保険
・夫婦保険
・夫婦年金保険付夫婦保険
・夫婦年金保険
契約者貸付の利用回数 はじめて契約者貸付を利用する
利用する口座 振込先口座、保険料振替口座、年金受取口座にゆうちょ銀行の総合口座を指定していない
取引時確認の実施 取引時確認が終わっていない
生存保険金 生存保険金を受け取っていない
保険の契約内容 保険契約者と被保険者が同一人ではない
貸付利率の減免 貸付利率の減免を受けている

インターネットで手続きできない人は、以下の必要書類を持って郵便局に出向きましょう。

  • 保険証券(保険証書)
  • 印鑑
  • 保険契約者の本人確認書類
  • 保険契約者名義の預貯金通帳またはキャッシュカード

窓口で手続きすると、原則翌営業日に借りたお金が振り込まれます。

かんぽ生命の契約者貸付で借りたお金を返済する方法

かんぽ生命の契約者貸付で借りたお金は、マイページまたは郵便局の窓口で返済できます。

返済に関するルールは、以下の通りです。

返済場所 マイページ 郵便局の窓口
返済できる金額 全額返済 ・全額返済
・貸付金の一部のみ返済
条件 ・契約者本人名義の振込先口座または保険料振替口座が指定されている
・契約者が手続き時点に満18歳以上である
・年金契約の人は年金支払開始前である
なし

契約者本人が郵便局の窓口に出向けないときは、代理人による返済も可能です。

貸付金を返済できないまま1年間経過すると、貸付期間経過後利率の適用で金利が上がります。

返済できないまま2年経過すると、返済に代えて保険金額が減額される決まりです。

減額される保険金額は貸付金と利息を合計した額より高くなるため、早めの返済を心がけましょう。

返済期限までに返済が難しいなら、利息のみ返済して貸付期間を延長する制度があります。

貸付期間を延長したい人は、郵便局の保険窓口に出向いて「元金同額貸付を利用したい」と申し出ましょう。

マイページからも、貸付期間を延長する手続きができます。

貸付期間延長の手続きを取れば、保険料の減額を避けられるので、返済が難しい人は早めに手続きしましょう。

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